トイレコールを遠慮する
心理的な要因
利用者がトイレコールを遠慮する際には、いくつかの心理的要因が関与しています。その一つが、介護職の忙しそうな姿を目にした利用者が、「こんな忙しい時に呼ぶのは申し訳ない」と感じてしまうことです。職員と良好な関係を保ちたいと考える利用者ほど、遠慮してしまうことが多くなります。もう一つの要因は、「待たせると悪いから早く済ませないと」と焦る気持ちです。自分のトイレのために介護職を待たせるのは迷惑だと思って、できるだけ短時間でトイレを済ませようと焦ることがあります。こうした心理的要因があると利用者は必要なサポートを十分に受けられず、逆に安全面でのリスクが高まります。
これらの要因は、利用者の心理に大きな影響を与え、結果としてトイレコールを遠慮する行動に繋がります。介護職が忙しそうに見えることや、待たせることに対する申し訳なさから生じる焦りの気持ちは、どちらも利用者の生活の質を低下させる可能性があるのです。
このような状況を改善するためには、介護職が意識的に利用者とコミュニケーションを取り、「いつでも呼んでください」という安心感を与えることが重要です。さらに、介護職が忙しそうに見えないような態度や動作の工夫も効果的です。
食事や水分補給を減らす人もいる
トイレコールを遠慮するあまり、排泄の回数を減らそうとする利用者がいます。食事や水分補給を意図的に減らすことは、体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。食事を減らすことによって必要な栄養素が不足し、体力や免疫力の低下、さらには慢性的な疲労感を引き起こす原因となります。また、水分補給を減らすことで、脱水症状や尿路感染症のリスクも高まります。さらに、便秘になる可能性も高くなり、それが原因で消化不良や腹痛を引き起こすこともあります。
特に高齢者や持病を持つ方々にとって、これらの問題は非常に深刻です。適切な栄養と水分の摂取がなければ、病気への抵抗力が弱まり、治療が必要な状態にまで悪化することがあります。また、体力が落ちることで転倒のリスクも高まります。
信頼関係作りが大切
上記のような心理的要因からトイレコールを遠慮したり、排泄の回数自体を減らすために食事や水分補給を制限してしまう人もいるのです。しかし、これらのことは良い結果に結びつかず悪循環でしかありません。利用者に遠慮なくトイレコールをしてもらうためには、安心して頼ってもらえるような信頼関係を築くことが大切です。
介護の仕事は、笑顔が消えるほど忙しいこともあるでしょう。しかし、人のあらゆる感情は周囲に伝播するものです。「忙しそう」「迷惑にならないか」などの思いを抱かせずに済むようにこまめに声掛けを行い、信頼関係を築いていくことが、トイレ介助のコツの一つです。
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