頻繁にトイレコールがある
車いすの場合
介護施設でトイレコールが多い利用者に対してトイレ介助をするコツを紹介します。中には、トイレに行って排尿をするわけでもないのに「トイレに行きたい」と訴える人もいます。その数分後にまた「トイレに連れて行ってください」と訴えたり、トイレからベッドに戻る途中で訴える人もいます。そういった利用者は、頭の中がトイレのことでいっぱいになっている可能性があります。そのため、利用者の意識をトイレから別のことに向ける必要があります。例えば、趣味に関することを話したり、好きな歌を歌いながらトイレから戻るなどの工夫が求められます。
また、職員が近くにいるうちにトイレに連れて行ってもらおうと、職員が視界に入った瞬間にトイレを訴えることがありますので、トイレに行った後はできるだけ相手の視界に入らないように見守りましょう。
立位が安定している利用者の場合
立位がある程度安定しているものの、歩行には不安が残る利用者のトイレコールが頻繁な場合は、ベッドサイドにポータブルトイレを設置すると有効です。この状態の利用者は夜間のトイレコールが多い傾向にあります。ポータブルトイレがあれば、本当に尿意があった場合でも自力で排せつができるという安心感から、トイレコールが少なくなるかもしれません。しかし、あくまで立位が安定している利用者に対して有効な方法なので、不安定な利用者に対してはポータブルトイレの設置は避けてください。
「リハビリ」というワードが有効
トイレコールが頻繁な利用者は、本当に尿意や便意があるわけではないのに訴えている可能性が高いです。尿意や便意がないのにトイレで排せつを試みるのは身体に悪影響を及ぼします。そこで、「膀胱のリハビリのために少し我慢してみましょう」などと声がけをします。「リハビリ」という言葉を聞いて、前向きに取り組んでくれるかもしれません。我慢をしてくれたら「リハビリお疲れさまでした」などとねぎらいの言葉をかければ、今後も前向きに取り組んでくれるでしょう。そうして徐々にトイレの頻度を少なくしていき、通常のサイクルに戻していきます。
また、車いすの人に対しては、自走でトイレに向かっていただくようにすすめましょう。「リハビリのためにトイレまでは自分で行ってみましょう」などと声がけをしましょう。ただし、精神的に不安定な利用者の場合、「頑張りましょう」という言葉はプレッシャーになるので厳禁です。うつの傾向がある利用者に対しては、「先に○○さんを案内してもよろしいですか」などと声がけをして、少しでも待ってもらえたら「ありがとうございました」とお礼の言葉を伝えるようにしてください。
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